まど・みちおさんの詩・ものたち

(2020年09月10日)

(所 敦子記事)

 

いつだってひとはものたちといる あたりまえのかおで おなじあたりまえのかおでものたちもそうしているのだとしんじて

はだかでひとりふろにいるときでさえタオル クシ カガミ セッケンといる どころかそのふろばそのものがものでそのふろばをもつすまいもむろんものものたち

ものからみはなされることだけはありえないのだ このよでひとは たとえすべてのひとからみはなされたひとがいてもそのひとにこころやさしいぬのきれが一まいよりそっていないとはしんじにくい

 

 

 

私達は家族や友達に支えながら自分の力で生きていると思っているけれど、実際はいろんなもののお世話になっとるんです。

われわれが食べている動物、魚、植物、水や空気や太陽はむろんのこと、茶碗、フォーク、椅子、雑巾、消しゴム、耳かき、鍋のふたのつまみ、信号・・・全部網羅しようととしたら本一冊まるまる使っても書ききれない。

そういった生物の母親みたいな無生物に人間は大変お世話になってるっだっちゅうことを言いたくて書いたのが「ものたち」という詩でした。

 

 

最近出逢った敬愛するまど・みちおさんの詩とまどさんの言葉です。

 

 

いわずにおれない
まど・みちお 集英社 2005年12月
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